命題11

命題11

 2つの平方数の間に1つの比例中項があり、平方数は平方数に対して、辺が辺に対する比の2乗の比をもつ。

 ABを平方数とし、CAの辺、DBの辺とせよ。

 ABの間に1つの比例中項があり、ABに対し、CDに対する比の2乗の比をもつと主張する。

 CDをかけてEを作るとする。

 今、Aは平方数でCはその辺なので、それゆえに、Cはそれ自身をかけてAを作る。

 同じ理由で、Dはそれ自身をかけてBを作る。

 そのとき、CCDをかけて、それぞれAEを作るので、それゆえに、CDに対して、AEに対する。propositionZ17

 同じ理由で、CDに対して、EBに対する。

 それゆえに、AEに対して、EBに対する。propositionZ18

 それゆえに、ABの間に1つの比例中項がある。

 次に、AもまたBに対して、CDに対してもつ比の2乗の比をもつと主張する。

 A、E、Bは比例する3つの数なので、それゆえに、ABに対して、AEに対してもつ比の2乗の比をもつ。definitionX9

 しかし、AEに対して、CDに対する。

 それゆえに、ABに対して、CDに対してもつ比の2乗の比をもつ。

 それゆえに、2つの平方数の間に1つの比例中項があり、平方数は平方数に対して、辺が辺に対する比の2乗の比をもつ。

証明終了

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